純国産のハイクオリティ・ギター、Fender Japan ST-STD

Gibsonレスポールと並んで、このレオ・フェンダーが開発したストラトキャスターもエレクトリック・ギターの代名詞と言うべき代表的モデルです。ここで紹介する「ST-STD」は、ボディにバスウッド材を用いてる点のみ一般的なストラトキャスターと異なりますが、その他のスペックに関しては長い歴史を持つストラトキャスターの基本仕様を受け継いでいます。
定価で \52,500 という低価格ながらも、ストラトキャスターを知り尽くした熟練の日本人クラフトマンが正確に、丁寧に制作・組み込み・着色をし、調整して出荷しています。
サウンドもストラトキャスターらしい、キレがあり、そして煌びやかな高音域、3ピックアップならではの多彩なサウンド・バリエーションなど、初めてギターを持つ方もセカンドギターをお探しの方も、きっとこの品質と音質に納得することでしょう。今ここで、この「ST-STD」を徹底的に分析していきたいと思います。

 

フラット・トップのボディは、体にフィットしやすいようにボディエッジを丸くし、バックにはコンター加工ーを施してあります。ハイポジションでの演奏性を考え、6弦側と1弦側は大きくカットされています。

 

ネックとボディを別々で制作し4本のねじで留める「デタッチャブル・ジョイント」、最大5通りのサウンドが出せる3ピックアップ、ストラト最大の特徴の「シンクロナイズド・トレモロ・システム」など、レオ・フェンダーのアイディアをしっかり受け継いでいます。

 

ST-STDで使用されている木材

一般的にストラトキャスターのボディはアルダーですが、ST-STDはバスウッドを採用しています。この材は、低価格帯のギターによく使われていますが、癖がなく素直であるという特徴に好意を持つプロのギタリストも多いです。

 

バスウッド

メイプル

ローズウッド

≪音質特性≫
≪音質特性≫
≪音質特性≫
柔らかい材なので、うっかりするとコシのないスカスカの音になりやすい。その反面、素直かつフラットで癖がないという特徴をもつ。使用するピックアップやボディの形状によってトーンが大きく変わってくるだろう。 非常に堅く弾力性のある材なので、アタック、サスティンともに優れています。輪郭のはっきりしたクリアな音質特性。ST-STDではネックと、メイプル指板モデルには指板に使用されています。 指板材として十分な硬さを持つ密度の高い材。導管が太いため吸水性に優れ、プレイアビリティも高いです。アコースティックギターではボディのサイドにも使われることがあります。
耐衝撃性 ◆◆
剛性 ◆◆
密度 ◆◆◆
加工性 ◆◆
曲げ強度 ◆◆◆
圧縮強度 ◆◆◆
耐衝撃性 ◆◆◆◆
剛性 ◆◆◆
密度 ◆◆◆◆
加工性 ◆◆◆
曲げ強度 ◆◆◆◆
圧縮強度 ◆◆◆◆◆
耐衝撃性 ◆◆◆◆
剛性 ◆◆
密度 ◆◆◆◆◆
加工性 ◆◆◆◆
曲げ強度 ◆◆◆◆
圧縮強度 ◆◆◆◆◆

 

耐衝撃性 木材に対して急激な力を加えた時の強度を示します。
剛性 木材が、強固であるか柔軟であるかを示します。
密度 木材の目の詰まり具合。比重と同義。
加工性 木材の加工のしにくさ。◆が多いほど加工性が悪い。
曲げ強度 木材に曲げる方向の力を加えた時の強度を示します。
圧縮強度 木材の繊維方向に圧力を加えた時の強度を示します。

ST-STD のスペック

BODY

バスウッド

NECK/PROFILE

1ピース・メイプル / スリムネック

FINGERBOARD/INLAYS

ローズウッド or メイプル 21フレット / ドッド・インレイ

SCALE LENGTH/NUT WIDTH

スケール : 25.5 インチ / ナット幅 : 42mm

HARDWARE

シンクロナイズド・トレモロ・システム、ダイキャストブロック・サドル、
ロトマチック・タイプ・ペグ

ELECTRONICS

PU : ST-CURRENT x 3

Controls : 1VOL, 2TONE, 5WAY SW

FINISH

3TS  (スリートーン・サンバースト)
BLK  (ブラック)
VWH  (ビンテージ・ホワイト)
CAR  (キャンディ・アップル・レッド)
(それぞれ、メイプル指板かローズウッド指板の選択ができます。)

OTHER

With Soft Case

丈夫で制度が高く、海外のアーティストやギター職人たちにも大きな信頼を得ている「ゴトー(国内メーカー」社製のチューニング・ペグを採用。ロトマチックなのでトルク調整もできます。

ナット幅が42mmのネックは、とてもスリムで手の小さい方にも人気を得ています。ナットの端はきれいに処理されており、このあたりに日本人クラフトマンの優しい気遣いが感じられます。

フレットは、さまざまな演奏スタイルでも弾きやすい太さと高さになっています。やはりフレット端もきれいに処理されており、引っかかる感じはないです。

 

これがストラトキャスター !! 画期的なアイディアを一本に詰め込んだ、ロックギターの原点。

1、3ピックアップによる多彩なサウンド・バリエーション

ST-STDには、3つのシングル・コイル・ピックアップが搭載されており、その組み合わせで5通りのサウンドをレバー・スイッチで切り替えることができます。基本的には、ブリッジ側をリア・ピックアップ、ネック側をフロント・ピックアップ、そしてその二つに挟まれている真ん中はセンター・ピックアップといいます。

一番音が固く輪郭のはっきりしたサウンド。アンプのセッティングを誤ると耳に痛いサウンドになりますので、トレブルの調整には気をつけましょう。

リアとセンターのコンビネーションは、鼻声のような詰まったサウンド。コーラスを少しかけたクランチサウンドにマッチします。

センターピックアップのみで鳴らす人はあまりいないようですが、心地よいまろやかなサウンドが特徴です。

フロントとセンターの組み合わせでは、クリーン・サウンドが気持よく、カッティング奏法にももってこいです。

一番甘い音。泣きのソロフレーズや、アルペジオ奏法などによく使われます。トーンを絞れば、JAZZなサウンドにもなります。

 

 

 

 

2、シンクロナイズド・トレモロ・システム

1954年に登場したこのトレモロシステムは、弦高やオクターブチューニングが1〜6弦まで独立して調整でき、それまでのトレモロシステムでは難しかった大幅なアームダウン/アップにともなうピッチ(チューニング)の狂いを最小限に抑えることができるようになりました。ブリッジプレートの下にはイナーシャブロックがついており、サスティンの向上にも成功しています。

↑トレモロアームバー。これをユニットに取り付ければ、アームダウン/アップができるようになります。長さや重さ、太さなどの違うパーツも販売されており、アームのタッチ感を変えることができます。

↑一本の弦につき一個のサドル。これにより、各弦で弦高、オクターブチューニングの調整ができます。慣れないとメインテナンスが難しいですが、とことん自分の好みを追及できるのがうれしいシステムです。

↑弦高は指板の丸みに合わせて調整するのが鉄則です。

ボディ裏のパネルを外したところ。工場出荷時はバネは3本。このバネと弦の張りの強さを均等にすることで性能が発揮されます。この調整は、なかなか難しいのが難点。バネは最大5本までOK。

この2本のネジでバネの張りを調整します。プレートについている黒い線は、アースを取るための導線です。

このように予めフローティング(浮かせる)させることでアーム・アップができるようになります。ただし、演奏中に弦が切れると、バネとのバランスが狂いチューニングがバラバラになるので気をつけましょう。

 

3、生産性を考えた、デタッチャブル・ジョイント・ネック

フェンダー・ストラトキャスターのネックの仕込みは、基本的には4本のネジでボディと接続する、デタッチャブル(ボルト・オン)ジョイント方式です。ネックとボディを別々で制作することにより生産速度が早くなりました。ギブソンのセットネック方式だと、どうしても接着に2日ほどかかりますが、ストラトキャスターはネジなのですぐに終わります。副作用として、ジョイント部のヒールの段差が高くなってしまいます。

4本のネジで留めます。そのままだと木部が割れてしまうので、ジョイント・プレートを挟んでから留めます。ネジは必ず対角線の順番で閉めましょう。

デタッチャブル方式のヒールはこのように段差が大きく、引っかかる感じがありますが、慣れてしまえばどうってことはないでしょう。

ボディとの密着性もばっちり。ジョイントポケットの部分は、低価格のST-STDでもしっかり作られています。

4、フラット・トップ・ボディ

ストラトキャスターは、レスポールのようなアーチのついたボディではなく、フラット(平)になっています。さらに、基本的には、アルダーならアルダーのみ、バスウッドなバスウッドのみというラミネート構造は取っていません。このあたりも生産性を考えたレオ・フェンダーの画期的なアイディアですね。さらに、ボディとネックは平行になっています。(レスポールは角度がついています。)ボディと弦の距離が近くなる副作用もあります。


以上、このようにST-STDは低価格にもかかわらず、Fender USAのストラトキャスターのスペックをしっかり受けつでいるのがお分かりいただけたかと思います。これから始める方にはもちろん、セカンドギターとしても実践で使えるクオリティを持っていますので中・上級者の方にもおすすめしたいとおもいます。